アリセプトが効いてきたのか、母はここ2〜3日、頭が冴えている。
先週は何の恥じらいもなく、風呂で私に洗髪させていたのに、今日は「裸になるのが恥ずかしい」「自分で洗髪くらいできる」と言う。
結局は私が洗髪したのだが、その後、夜に履いているパンツ型おむつを見て、嫌そうに訊いてきた。
「これ、履かなきゃダメ?」
無理やり履かせたり、困った顔や不機嫌な顔を見せるのは逆効果だと、経験から学んでいた。
だから耳元でやさしく、こう伝えた。
「お母さんが粗相したパンツ、僕が洗ってるんだよ。
これを履いてくれたら粗相しても僕が楽だから、お願いします、履いてください。」
自分が粗相するとはにわかに信じがたい、という顔をしていたが、母は素直におむつを履いてくれた。
自分がおむつを履くことで家族の負担が減る。
それをやさしく丁寧に伝えると、言うことを聞いてもらえる確率が上がる。
改めて、そのことを実感した日だった。
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